チャチャアイデンティティといえば「マーショ」それだけ覚えてるけど、詳しくはよくわかんない



頻出のテーマだよ。しっかり押さえて得点しよう!
キャリアコンサルタント試験で頻出の理論家の一人、ジェームズ・マーシャ(J.E.Marcia)の「自我同一性地位(アイデンティティ・ステータス)理論」について、試験対策のポイントを解説します。
マーシャのキーワード
・自我同一性地位
目次
概要


アイデンティティ・ステータスを探る
下の4つのステータスをクリックして、それぞれの詳細を確認しましょう。
傾倒(関与)
危機(探索)
あり
なし
あり
なし
自我同一性達成
危機:あり / 傾倒:あり
早期完了
危機:なし / 傾倒:あり
モラトリアム
危機:あり / 傾倒:なし
自我同一性拡散
危機:なし / 傾倒:なし
ステータスの視覚的比較
試験対策上の重要ポイント
- ● マーシャの理論はエリクソンの自我同一性概念を土台にしていることを理解する。
- ● 「危機(探索)」と「傾倒(関与)」の2軸で4つのステータスを分類したことを覚える。
- ● 特にモラトリアムは「危機あり・傾倒なし」の状態であり、キャリア支援において自己探索を促す重要な時期であると認識する。
- ● これらのステータスは固定的ではなく、発達・変化するものである。(例: 拡散 → モラトリアム → 達成)
- ● 相談者がどのステータスに近い状態にあるかをアセスメントし、その状態に応じた支援を行う視点が重要である。
1. 理論の概要:エリクソン理論の具体化
マーシャの理論は、エリクソンの発達課題における「青年期」のテーマ、「自我同一性(アイデンティティ)の確立 対 自我同一性の拡散」をより具体的に測定・分類するために発展させたものです。
青年が自分自身のアイデンティティを形成していく過程を、以下の**2つの軸(基準)**で評価し、**4つのステータス(地位)**に分類しました。
重要な2つの軸
試験対策として、この2つの軸の有無で4つの地位を分類できることを必ず覚えましょう。
- 危機(Crisis)/探索(Exploration)の経験
- 自分の進路や価値観、生き方について真剣に悩み、積極的に情報を集め、主体的に模索した経験があるか(→はい/いいえ)
- 傾倒(Commitment)/コミットメント
- 特定の職業や信念、価値観に対して、自分自身で選択し、積極的に関わっていこうとする意思があるか(→はい/いいえ)
2. 4つのアイデンティティ・ステータス
この2軸の組み合わせで、以下の4つのステータスに分類されます。この表は必ず暗記してください。
| ステータス(地位) | 危機・探索 | 傾倒・コミットメント | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ① 同一性達成 (Identity Achievement) | あり | あり | 自分の価値観を模索し、悩んだ末に自己決定している。最も成熟した状態。 |
| ② モラトリアム (Moratorium) | あり | なし | 現在、悩みの真っ最中。様々な可能性を模索しているが、まだ決められていない状態。 |
| ③ 早期完了(フォークロージャー) (Foreclosure) | なし | あり | 自分で深く考えず、親や他人の価値観を受け入れて決めている。例:親の跡を継ぐ。 |
| ④ 同一性拡散 (Identity Diffusion) | なし | なし | 将来への関心が薄く、何を選択してよいかわからない。無気力・無関心な状態。 |
3. キャリアコンサルティングへの応用(試験のポイント)
キャリアコンサルタントは、クライエントがどのステータスにいるかをアセスメントし、その状態に応じた支援を行うことが求められます。
- 同一性拡散(Diffusion)のクライエントに対して
- まずは自己理解を深める支援から始めます。興味・関心を探るための情報提供や、小さな自己決定の経験を促すことが有効です。いきなり目標設定を迫るのは逆効果です。
- 早期完了(Foreclosure)のクライエントに対して
- 「本当にそれで良いのか」という問いを立て、本人の価値観や興味を再検討するよう促します。親や周囲の期待から離れ、自分自身の気持ちに気づくための自己探索を支援します。
- モラトリアム(Moratorium)のクライエントに対して
- 積極的に探索している状態なので、そのプロセスを支持し、意思決定を助けるための情報提供(職業理解、インターンシップ等)を行います。焦らせず、納得のいく選択ができるよう寄り添います。
- 同一性達成(Achievement)のクライエントに対して
- 決定した目標の実現に向けた、具体的な行動計画の作成(プランニング)や、実行の支援を行います。また、一度達成しても状況の変化で再び揺らぐこともあるため、継続的な支援も視野に入れます。
試験対策まとめ
- マーシャはエリクソンの理論を発展させた。
- 「危機(探索)」と「傾倒(コミットメント)」の2軸で分類。
- 4つのステータス(達成、モラトリアム、早期完了、拡散)それぞれの特徴と、2軸の有無の組み合わせを正確に覚える。
- 各ステータスのクライエントに対する支援方法の違いを理解する。
この理論は、特に若年層のキャリア支援を考える上で非常に重要なフレームワークとなります。しっかりと理解して、試験に臨みましょう。






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