【面談】試験対策ロープレの基礎を押さえよう

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チャチャ

ロープレって本当に難しい。いろいろやりすぎて迷子になっちゃったかも

まい

ロープレは場数を踏んで慣れることも大事だけど、基本がわかっていないと迷子にもなりがちだよね。

苦手な人も多い面談のロープレ。とにかく場数を踏んでロープレに慣れることも重要ですが、試験対策講座も多くあり、やりすぎると迷子になってしまうことも。

そこで今回はロープレの基礎についてまとめました。

ロープレを1から考えたい方。ロープレ迷子になってしまった方はぜひチェックしてくださいね。

目次

まずはじめに:すべての土台となる「3つの基本姿勢」と「物理的態度」

まい

まずはじめに、すべての基本となるロープレの基本的姿勢についておさらいしましょう。

チャチャ

迷子になったなら、スタート地点からはじめてみよう!

キャリアコンサルタントの実技試験(ロープレ)は、単に「上手な会話」を評価する場ではありません。

「相談者を主役(クライエント中心)として、信頼関係を築き、相談者が自らの力で問題に向き合えるように支援する」という基本的な姿勢とスキル

が身についているかを確認する試験です。

スキルも問われますが、ロープレのテクニック以前に大切なのが、基本的な姿勢ができているかどうか。すべての土台をまずはチェックします。

1. 精神的な基本姿勢(ロジャーズの3原則)

面接のテクニック以前に、キャリアコンサルタントとして最も重要なのが心構えです。

まい

これは、カウンセリングの神様と呼ばれるカール・ロジャーズが提唱したもので、審査員が最も注視する部分です。

① 共感的理解:クライエントの「心」で世界を見る

要点: クライエントが感じているように感じ、クライエントが見ているように世界を理解しようとすること。

共感的理解は、「同情」とは違います。相手の感情に巻き込まれるのではなく、相手の立場に立って「なるほど、あなたは今、そのように感じているのですね」と理解しようとする姿勢です。

  • NG例: (上司に叱責されたという話に)「それはひどい上司ですね!私なら許せません!」
  • OK例: (上司に叱責されたという話に)「大勢の前で叱責されて、非常にお辛い気持ちになったのですね。」
チャチャ

クライエントの心を理解することが大切なんだね

② 自己一致(一致):ありのままの自分でいる

要点: キャリアコンサルタント自身が自分の感情に正直で、クライエントに対して誠実であること。

分からないことを分かったふりしたり、心にもない相槌を打ったりせず、真摯な態度でクライエントに向き合います。ただし、自分の意見を押し付けるのとは違います。

まい

上辺だけの態度や、知ったかぶりなど偽りだらけの自分ではダメってことですね

チャチャ

無理に話を合わせるのも違うってことだね

③ 無条件の肯定的関心:クライエントをありのまま受け入れる

要点: クライエントの話を善悪で判断したり、評価したりせず、一つの事実として「そういう考えもあるのですね」と受け止めること。

クライエントがどのような考えや感情を語っても、まずは否定せずに受け止め、その背景にあるものに関心を示します。

チャチャ

クライエントと自分が

2. 物理的な基本姿勢(非言語的態度)

言葉だけでなく、あなたの身体全体で「話を聴く準備ができています」というメッセージを伝えることが重要です。

  • 位置関係: クライエントが話しやすい対話のしやすい位置(例:90度の角度)に座っていますか?
  • 座り方: 椅子に深く腰掛けすぎず、少し前傾姿勢で関心を示していますか?
  • 服装・態度: 足を広げすぎたり、相手に威圧感や不快感を与える服装は避けていますか?
  • 視線: 常にクライエントの方向を向き、真摯な態度を示していますか?
チャチャ

オンラインではなく、これは対面の面談試験。あなたはクライエントからの相談にどんな姿勢で臨みますか?

まい

実務を受ける気持ちで試験を受ければ、きっと真摯な態度をとれるはず。

大切なのは「聞くこと」:信頼関係を築く「傾聴」の具体的テクニック

面談の基本はクライエントの話を「聞くこと」です。

傾聴は、クライエントに「この人は私の話を真剣に聞いてくれる」と感じてもらうための具体的なスキルです。

1. 基本の「き」:繰り返し(リフレクション)

要点: クライエントが言った言葉をそのまま、あるいは少し言い換えて返すことで、「しっかり聞いていますよ」というメッセージを伝える最も簡単で効果的な方法。

かみしめるように、少し間を置いてゆっくり繰り返すと、共感的な姿勢がより伝わります。特に、クライエントが語った「感情」や「事実」を繰り返すことが重要です。

【会話例】

  • CL: 「新しいプロジェクトを任されたのですが、プレッシャーで夜も眠れないんです…」
  • CC: 「新しいプロジェクトのプレッシャーで、夜も眠れないほどなのですね。」
チャチャ

「そうなんですね……」の一点張りになって。気になって「そうなんですね」も使えなくなっちゃってスランプだったよ

まい

まずは繰り返し。相手にも「聞いてますよ」ってことが伝わるよ。それも気になるようなら、繰り返し方にバリエーションを設けよう

繰り返し方のバリエーションと使い分け

  • Aパターン:「~なのですね」と感情を受け止める
    • CC: 「大きなプレッシャーを感じて、お一人で抱え込んでいらっしゃるのですね。」
    • 特徴: クライエントが自由に話したいことを続けやすい。共感性が高い。
  • Bパターン:「~とは、どのような状態ですか?」と具体化を促す
    • CC: 「『プレッシャーを感じる』とのことですが、具体的にはどのような場面でそう感じますか?」
    • 特徴: 話すのが苦手なクライエントにとっては、質問されることで答えやすくなる。話が具体的になる。

基本はAパターンで相手に自由に語ってもらい、相手が黙ってしまうなど合わないタイプだと感じたら、Bパターンのように具体的な質問で面談の流れを作るのが有効です。

2. 話を促す「あいづち」と「はげまし」

まい

単なる「はい」「ええ」だけでなく、バリエーションを持たせることで、クライエントは話しやすくなります。

効果的なあいづちの形
  • 「(クライエントが語ったこと)だと感じていらっしゃるのですね」
  • 擬態語(「だらだら」「ふらふら」など)に着目し、「だらだらしている、と感じられたのですね」と繰り返す。
    • ※「罪悪感を感じているのですね」など、こちらの解釈を加えるのは危険です。的外れだった場合、信頼関係を損なうリスクがあります。
アイビィの「はげまし」の分類
  1. 「ええ」「それで?」「それから?」
  2. 単語の繰り返し(例:「なるほど、プレッシャー…」)
  3. 「もう少し続けて話してください」
  4. 「うーん…」(考えながら聴いている姿勢を示す)
  5. 相手の文章の最後の数語を繰り返す(例:「…で困っているんです。」→「…困っていらっしゃる。」)
チャチャ

あまり意識しすぎるのも変になっちゃいそう

まい

ロープレの練習で使ってみて。自分のスタイルにマッチするものをものにしよう

3. 話を整理する「言いかえ」と「要約」

要点: 話の節目で、クライエントが語った内容を整理し、確認すること。

  • 言いかえ: クライエントが語ったことの本質を捉え、濃縮し、明確にすること。
  • 要約: ある程度の長さの話をまとめて確認すること。「ここまでのお話を聴いて、重要な点は〇〇と△△だと感じましたが、いかがでしょうか」と問いかける。

これにより、クライエントは「きちんと理解してもらえている」と安心でき、お互いの認識のズレも修正できます。要約後にクライエントから訂正や補足があれば、それも重要な情報です。

まい

もしも要約が少しずれていても、クライエントから訂正がもらえればそこから面談も展開していけます

第3章:面談の目的と流れの作り方

面談の大きな目的

チャチャ

ロープレの練習をしすぎて、面談の目的を見失っちゃってる……

まい

うまくやろう。スキルを身に着けようということを意識しすぎて、面談の本来の意味を忘れがち。ここで一度面談の目的を思い出しましょう。

とっても大事!!忘れないで!!面談の目的とは

クライエントが抱える悩みの解決に一歩でも近づくこと
そのために、クライエント自身が内面を見つめ、何らかの「気づき」を得て、変化が起きることをサポートする。

この目的を達成するために、キャリアコンサルタントはクライエントファーストを徹底する必要があります。

「事実関係を知りたい」というのは、実はキャリコン側の都合(ニーズ)であることが多いです。

クライエントは、自分の悩みを伝えるのに必要であれば自ら事実も語ります。まずは、クライエントの感情や気持ち、心の状態に焦点を当てましょう。

チャチャ

「詳しく知りたい」「全部把握したい」のは、果たしてクライエントのニーズなのか、キャリコンが知らないと不安なだけではないのか……

まい

あくまでクライエントファースト
クライエントの悩み解決を第一に考えていきましょう

質問の進め方

  1. 滑り出し: 「本日は、どのようなご相談でいらっしゃいましたか?」といった開かれた質問で始める。
  2. 序盤: まずはクライエントが話し始めた内容について、繰り返しやはげましを使い、丁寧に詳しく聴く。
  3. 中盤(気づきを促す質問): 感情の繰り返しだけでは話が進まないと感じた時、関係構築ができた上で、内省を促す質問を投げかける。
    • 例:
      • 「〇〇というご経験は、あなたにとってどのような意味があったのでしょうか?」
      • 「その行動の裏には、どんな意図があったのだと思いますか?」
      • 「あなたが大切にしている価値は、どのようなものでしょうか?」

「どうできれば受かるか?」合格の基準

完璧なカウンセリングを目指す必要はありません。以下の点が評価者に伝われば、合格は見えてきます。

  • 【最重要】相談者が主役であったか?
    • カウンセラーがたくさん話すのではなく、相談者が7〜8割話している状態が理想。
    • カウンセラーの価値観や意見を押し付けていないか。
  • 信頼関係(ラポール)が築けていたか?
    • 相談者が安心して、少しずつでも自己開示できていたか。
    • 非言語的な態度(表情、姿勢)も温かく、受容的であったか。
  • 相談者の「自己探索」を支援できていたか?
    • 相談者が、話すことを通じて自分の気持ちや考えを整理できている様子が見られたか。
    • たとえ小さなことでも、相談者に何らかの「気づき」があったか。
  • 「キャリアコンサルタントに相談してよかった」と思える関わりだったか?
    • 評価者は、「この人に自分の部下や家族の相談を任せられるか?」という視点で見ています。安心感、安定感、誠実さが伝わることが合格の鍵です。

やってはいけないこと

慣れてきたら、「やってはいけないこと」も理解していきましょう。

  • 質問攻めにする: 情報を得ようと焦り、矢継ぎ早に質問してしまう。
  • すぐにアドバイス・提案をする: 相談者の話を十分に聴かずに、「〜した方がいいですよ」と解決策を提示してしまう。
  • カウンセラーが問題を特定し、誘導する: 「あなたの問題は〜ですね」と決めつけ、その方向へ話を進めようとする。
  • 沈黙を恐れる: 相談者が考えている「間」を待てず、すぐに言葉を挟んでしまう。
まい

「やってはいけない」と言われるとちょっとドキッとしちゃうけど、どうして避けた方がいいのか、基本に立ち返ると理解できるよ

チャチャ

どうしてなんだろう

  • 理由①(時期尚早)
    短時間で、助言できるほどの深い関係構築は難しい。
  • 理由②(主体性の尊重)
    他人から提案された解決策を、本人が心から受け入れることは稀。クライエント自身の「気づき」を尊重する。
チャチャ

たしかに。ぼくだって15分で助言されても素直に聞けないかも

まい

あくまでもクライエントファースト、を徹底すると、これらは自然と避けられるはず

問題の本質を見抜く「見立て」と「話の掘り下げ方」

チャチャ

基本的な姿勢はできてきた気がする
でも「話を掘り下げる」とか「展開する」とかは苦手だよ

まい

基本的姿勢ができていれば、クライエントの話を聞いて言語追跡するだけでも、良い面談になることはあります。
ですがあまりうまくいかないケースの場合や、解決の方向に行かないとは何段する場合は、以下をより意識してみましょう

話を掘り下げるための心構え

まい

テクニックではなく、あくまでも基本的姿勢の延長線上にある心構えです

事前に用意した質問は忘れる

事例を研究する際に、知識の一環としてクライエントにどんな背景があるんだろう、と想像したり、実際に調べたりすることは大切です。しかし、いざ面談が始まったら用意してきた質問は一旦わすれましょう。目の前にいるクライエントに集中します。

マニュアル通りの質問は、クライエント中心の面談とは言えません。

質問の源泉=「関心」と「違和感」

質問はクライエントに集中することで生まれます。その時どう思ったんだろう、そう考えついた価値観はどこにあるんだろう、そういった思いを質問にのせます。

また、「おや?」と思う箇所があれば、それがポイントである可能性が高いです。

無条件の肯定的関心: 「この人はどんな人なのだろう?」という純粋な興味が、自然な質問を生み出します。

健全な違和感: 「話が矛盾しているな」「少しおかしいな」と感じる感覚が、話を掘り下げるきっかけになります。

質問の意図を自覚する

何となく聞くのではなく、自分が発した一つ一つの質問に対して、「なぜ今この質問をしたのか」を説明できるようにしておきましょう。

見立てのフレームワーク(4つの不足)

「見立て」とは、クライエントが抱える問題の背景を考える仮説です。見立てがないと面談が迷走する危険性がありますが、決めつけは禁物です。「謙虚な質問」によって検証していく姿勢が重要です。また、見立ては面談の進行と共に変化することを忘れないでください。

スクロールできます
視点見立て(仮説)検証のための質問例
① 自己理解の不足自分の強み・弱み、価値観、興味などを理解できていないのでは?「これまでで、仕事に夢中になれたのは、どのような時でしたか?」 「どんな状態の時に『自分らしさ』を発揮できると感じますか?」
② 仕事理解の不足業界や職種、社内での役割などについて、情報や理解が足りないのでは?「そのお仕事には、どのような能力が求められるとお考えですか?」 「ご自身の会社や部署の役割について、改めてどうお感じですか?」
③ コミュニケーション不足上司や同僚との意思疎通がうまくいっていないのでは?「その件について、〇〇さんのお考えを上司に伝えられましたか?」 「周りの方々はその状況をどう見ていらっしゃるようでしたか?」
④ 思い込み(固執)「~すべきだ」「~に違いない」といった非合理的な信念に縛られているのでは?「『自分には無理だ』と、そのように強く思われるようになったきっかけはありますか?」 「もし、その『~ねばならない』というお気持ちがなかったとしたら、どうされますか?」

第5章:その他のポイント

基礎は以上でおわり。最後に細かいテクニックも掲載します。

チャチャ

上の者の方が大事。こちらはざっと読んでね

細かいが効果的なテクニック

  • 固有名詞の使用: 「あなた」という代名詞だけでなく、「〇〇さん」と名前を呼ぶことで、よりパーソナルな関係を築きやすくなります。
  • 言葉以外の情報: クライエントの表情、声のトーン、しぐさなど非言語的なサインにも注意を払い、「少しお辛そうにお見受けしますが」のように、見たままを伝えることも時には有効です。
  • 閉ざされた質問の活用: 話しにくそうにしているクライエントには、「今の仕事内容自体は、嫌いではないですか?」のような「はい/いいえ」で答えられる質問が、会話のきっかけになることもあります。ただし、連発は尋問になるので注意が必要です。
  • 沈黙への対応: 沈黙は、クライエントが内省している大切な時間です。焦って言葉を挟まず、少し待つ姿勢が重要です。ただし、あまりに長く続く場合は、「何か考えていらっしゃいますか?」と優しく問いかけるのも一つの方法です。

このガイドを参考に、ロールプレイング練習を繰り返し、クライエント中心の面談を自然にできるようになることが合格への一番の近道です。

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