【キャリア理論】ハックマン&オルダムの職務特性モデルをサクッと理解

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チャチャ

ハックマンとオルダムの理論が出てきたけ、ぼく初見……

今回は、試験でよく問われる重要理論、ハックマンとオルダムの「職務特性モデル」について、一緒に学んでいきましょう。

この理論は、一言でいうと「どうすれば、従業員が仕事にやりがいを感じ、自発的に『もっと頑張りたい!』と思えるようになるのか?」を科学的に解き明かしたものです。

まい

クライエントの職業生活の充実を支援する上で、非常に強力な武器になる理論。しっかり押さえていきましょう!

ハックマンとオルダムのキーワード

・職務特性モデル
・中核的職務特性
・調整要員

目次

インフォグラフィック版

職務特性モデル インタラクティブ学習ツール

モデルの探求

5つの中核的職務特性
技能多様性
タスク完結性
タスク重要性
自律性
フィードバック
3つの重要な心理状態
仕事の有意味感
結果への責任感
結果の知識
個人的・職務的成果
  • 高い内的動機づけ
  • 質の高い仕事の成果
  • 仕事への高い満足度
  • 低い欠勤率・離職率
詳細

上の図の要素をクリックすると、ここに詳しい説明が表示されます。

動機づけポテンシャル・スコア (MPS) 計算機

各職務特性のレベルをスライダーで調整して、モチベーションがどう変化するか見てみましょう。

あなたのMPSスコア:

64.0

調整変数:個人の「成長欲求」

すべての人が同じように反応するわけではありません。個人の「成長欲求」がどう影響するか見てみましょう。

試験対策 最終チェック!

1.

5つの中核的職務特性の名前と意味を言えますか?(技能多様性, タスク完結性, タスク重要性, 自律性, フィードバック)

2.

3つの重要な心理状態の名前を言えますか?(仕事の有意味感, 結果への責任感, 結果の知識)

3.

特性と心理状態の組み合わせを説明できますか?

4.

MPS計算式の「掛け算」が意味する重要性を理解していますか?(自律性かFBが0だと全体も0)

5.

調整変数である「成長欲求の強さ」がモデルにどう影響するか説明できますか?

講義版

STEP1:モデルの全体像を掴もう!

このモデルは、大きく分けて以下の流れで構成されています。

【5つの中核的職務特性】 → 【3つの重要な心理状態】 → 【良い結果】

つまり、**「職務に5つの要素が満たされていると、働く人の心理状態がポジティブに変化し、その結果、個人にとっても組織にとっても良い成果が生まれる」**という考え方です。

さらに、このモデルには**「個人差(調整変数)」**という視点も含まれているのがポイントです。

それでは、各ステップを詳しく見ていきましょう。

STEP2:最重要!5つの「中核的職務特性」を覚えよう

ここが試験で最も問われる部分です!5つの特性の名前と、その意味を具体例と一緒に覚えましょう。

① 技能多様性 (Skill Variety)

  • 内容: 仕事をこなす上で、どれだけ多様なスキルや能力を使う必要があるか。
  • 例:
    • 高い例: 企画、製造、営業、顧客サポートまで一人でこなす中小企業の経営者。
    • 低い例: 毎日ひたすら同じデータを入力し続ける作業。
  • 覚え方: 「スキル」の「多様性」。いろいろな技を使える仕事。

② タスク完結性/遂行性 (Task Identity)

  • 内容: 仕事の始めから終わりまで一貫して関わり、一つのまとまりとして完成させることができる度合い。
  • 例:
    • 高い例: 一軒の家を設計から完成まで見届ける建築家。
    • 低い例: 自動車の製造ラインで、ドアの取っ手を取り付けるだけの作業。
  • 覚え方: 「タスク」が「完結」する。自分の仕事の全体像が見える。

③ タスク重要性/有意味性 (Task Significance)

  • 内容: 自分の仕事が、他人の生活や社会にどれだけ大きな影響を与えるかを認識できる度合い。
  • 例:
    • 高い例: 人の命を救う医師や、災害救助隊員。
    • 低い例: 誰が何のために使うのかわからない部品を、ただ作り続ける作業。
  • 覚え方: 「タスク」の「重要性」。自分の仕事は社会の役に立っている!

④ 自律性 (Autonomy)

  • 内容: 仕事の進め方やスケジュール、手順などを自分で自由に決定できる裁量権がどれだけあるか。
  • 例:
    • 高い例: 目標達成の方法は個人の裁量に任されているコンサルタント。
    • 低い例: 一言一句決まったマニュアル通りに対応しなければならないコールセンターのオペレーター。
  • 覚え方: 「自律」=自分を律する。自分のやり方で進められる。

⑤ フィードバック (Feedback)

  • 内容: 自分の仕事の結果や成果について、直接的で明確な情報を得られる度合い。
  • 例:
    • 高い例: 自分が書いたコードが、目の前で正しく動くのを確認できるプログラマー。
    • 低い例: 提出した書類がその後どうなったのか、半期に一度の評価まで全くわからない事務職。
  • 覚え方: 「フィードバック」がすぐ返ってくる。結果がすぐわかる。

STEP3:心の中で何が起こる?3つの「重要な心理状態」

上記の5つの特性が満たされると、私たちの心の中では3つのポジティブな変化が起こります。どの特性がどの心理状態に繋がるかの組み合わせが試験のポイントです!

① 仕事の有意味感 (Experienced Meaningfulness of the Work)

  • 内容: 「自分の仕事は、価値があり、重要で、やる意味があるな」と感じること。
  • 関連する職務特性:
    • 技能多様性
    • タスク完結性
    • タスク重要性
    • → いろんなスキルを使って、最初から最後まで関わり、それが誰かの役に立つなら、仕事に意味を感じますよね!

② 結果に対する責任感 (Experienced Responsibility for Outcomes of the Work)

  • 内容: 「この仕事の成功も失敗も、自分の責任だ」と強く感じること。
  • 関連する職務特性:
    • 自律性
    • → 自分でやり方を決められるからこそ、「これは自分の仕事だ」という当事者意識(責任感)が芽生えます。

③ 結果に関する知識 (Knowledge of the Actual Results of the Work Activities)

  • 内容: 「自分の仕事がうまくいっているかどうか」を、常に把握できている状態。
  • 関連する職務特性:
    • フィードバック
    • → 仕事の結果が直接わかるからこそ、自分の成果を正しく知ることができます。

STEP4:試験に出る計算式!MPS(動機づけポテンシャル・スコア)

ハックマンたちは、仕事のモチベーションの高さを数値化する MPS (Motivating Potential Score) という指標を提唱しました。この式は必ず覚えましょう。

MPS = (技能多様性 + タスク完結性 + タスク重要性) / 3 × 自律性 × フィードバック

【重要ポイント】

  • 前半の3つは「足し算&割り算(平均)」: 仕事の有意味感に繋がる3要素は、どれか一つが低くても他で補うことができます。
  • 後半の2つは「掛け算」: こちらが非常に重要です!自律性フィードバックのどちらか一方でもゼロに近いと、MPSのスコア全体がゼロになってしまいます。
  • 試験での問われ方: 「自律性やフィードバックが欠けている職務は、動機づけの効果が著しく低くなる」といった形で問われます。

STEP5:忘れちゃいけない個人差!「調整変数」

「じゃあ、どんな仕事でも5つの特性を高めれば、全員ハッピーになるの?」というと、そうではありません。この理論には**「個人差」**の視点があります。

  • 調整変数:成長欲求の強さ (Growth Need Strength)
    • 成長欲求が高い人: 自己成長や自己実現への意欲が強い人。このような人には、職務特性モデルが非常に効果的に機能します。やりがいのある仕事を与えられると、水を得た魚のように輝きます。
    • 成長欲求が低い人: 安定を好み、仕事に過度な挑戦を求めない人。このような人に、裁量権や責任の大きい(MPSが高い)仕事を与えると、逆にストレスや負担に感じてしまう可能性があります。

クライエントがどちらのタイプかを見極めることが、キャリアコンサルタントの腕の見せ所ですね。

まとめ:試験対策の最終チェック!

最後に、試験で得点するために、これだけは必ず押さえておきたいポイントをまとめます。

  1. 5つの中核的職務特性の名前と意味を言えますか?
    • (技能多様性、タスク完結性、タスク重要性、自律性、フィードバック)
  2. 3つの重要な心理状態の名前を言えますか?
    • (仕事の有意味感、結果への責任感、結果の知識)
  3. 特性と心理状態の組み合わせを説明できますか?
    • (多様性・完結性・重要性 → 有意味感)
    • (自律性 → 責任感)
    • (フィードバック → 結果の知識)
  4. MPS計算式の「掛け算」の意味を理解していますか?
    • (自律性かフィードバックがゼロだと、やる気もゼロになる)
  5. 調整変数は何か、説明できますか?
    • (成長欲求の強さ。人によってモデルの効果は異なる)

このモデルは、単なる暗記項目としてではなく、実際のキャリアコンサルティングの現場で「クライエントの仕事の、どの部分にテコ入れすれば、やりがいを高められるだろうか?」と考えるための実践的なフレームワークとして活用できます。

しっかり復習して、ご自身の知識として定着させてください。応援しています!

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