
ホランドといえば「RIASEC」ぼくもそれだけは知っている!



じゃあチャチャ、RIASECの「E」はなんだっけ?



うーんと、なんだっけ?
自分に合った仕事を見つけるための非常に強力なツールである、ジョン・ホランドの「職業選択理論」。この理論は、個人のパーソナリティ(性格)と職業環境のマッチングを重視しており、世界中のキャリアカウンセリングで活用されています。
有名な「リアセック」。「RIASEC」という言葉は聞いたことあるけれど、しっかりとは覚えてないという方も多いのではないでしょうか。
本日は、ホランドの職業選択理論。そしてキャリアガイダンスのためのアセスメントツールである「VPI職業興味検査」や「職業レディネステスト」などについて徹底講義。
この講義を受ければ、自分自身の興味や価値観を6つのタイプから理解することができちゃいますよ!ぜひチェックしてくださいね。
ホランド理論の基本:「人は自分のパーソナリティに合った環境で最も輝く」


ホランド理論の根底にあるのは、「個人と環境の適合性」という考え方です。つまり、人は自分のスキルや能力を発揮でき、価値観や興味に合致した職業環境に身を置くことで、仕事に対する満足度が高まり、成功しやすくなる、というものです。
ホランドは、個人のパーソナリティと職業環境を、それぞれ6つのタイプに分類しました。それが、この理論の代名詞である「RIASEC(リアセック)」です。



自分の性格や特性と一致している環境で働くことが、安定や満足につながるって思ったんだね



確かに。自分の性格にマッチした職業につくことで、魅力をより発揮できそうだな
6つのパーソナリティと職業環境(RIASEC)
RIASECは、以下の6つのタイプの頭文字をとったものです。多くの人は、どれか1つだけに当てはまるのではなく、複数のタイプを様々な度合いで持ち合わせています。
R: 現実的タイプ
(Realistic)
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特徴
身体的、具体的、実践的。機械、道具、モノを扱うことを好み、アウトドア活動や手先を使う作業が得意。
価値観
伝統的、実用的、堅実。
職業例
- エンジニア、自動車整備士、大工
- 料理人、パティシエ、農家
- 警察官、消防士、歯科技工士
I: 研究的タイプ
(Investigative)
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特徴
知的好奇心が旺盛で、探究心・分析力が高い。物事を観察し、数学的・科学的に問題を解決することを好む。
価値観
合理的、知的、独立的。
職業例
- 科学者、学者、大学教員
- 医師、薬剤師、獣医師
- システムアナリスト、データサイエンティスト
A: 芸術的タイプ
(Artistic)
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特徴
創造性が豊かで、独創的。慣習にとらわれず、自由な発想で自己表現することを好む。美的感覚に優れる。
価値観
審美的、独創的、自由、非伝統的。
職業例
- アーティスト、デザイナー、建築家
- 音楽家、俳優、ダンサー、声優
- 作家、編集者、カメラマン
S: 社会的タイプ
(Social)
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特徴
人と関わり、手助けすることに喜びを感じる。協調性があり、共感的。教えたり、奉仕したりすることが得意。
価値観
協力的、共感的、奉仕的、友好的。
職業例
- カウンセラー、ソーシャルワーカー
- 教師、保育士、看護師、介護福祉士
- 人事、キャリアコンサルタント
E: 企業的タイプ
(Enterprising)
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特徴
リーダーシップを発揮し、組織や人々を動かしていくことを好む。説得力、交渉力があり、野心的で目標達成意欲が高い。
価値観
冒険的、野心的、支配的、社交的。
職業例
- 経営者、起業家、管理職
- 営業職、不動産仲介、バイヤー
- 弁護士、政治家、プロデューサー
C: 慣習的タイプ
(Conventional)
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特徴
データを整理したり、計画を立てたりと、几帳面で正確な作業を好む。ルールや規則に従い、着実に物事を進めるのが得意。
価値観
秩序、正確性、実務的、効率性。
職業例
- 公認会計士、税理士、経理担当者
- 銀行員、証券アナリスト
- 事務員、秘書、プログラマー
六角形モデル:6つのタイプの関係性
ホランドは、これら6つのタイプの関係性を視覚的に理解しやすくするために「六角形モデル」を提唱しました。





このモデルには重要なルールがあります。
- 隣接するタイプは類似性が高い
六角形で隣り合っているタイプ(例: SとA、RとI)は、興味や価値観が似ています。 - 対角線上にあるタイプは類似性が低い
六角形の対角線上にあるタイプ(例: RとS、AとC)は、正反対の性質を持っています。
例えば、人に奉仕する「社会的(S)」タイプと、モノを扱う「現実的(R)」タイプは、興味の対象が大きく異なるため、対角線上に位置します。
この関係性は「一貫性(Consistency)」と呼ばれ、自分の興味の方向性を理解する上で役立ちます。興味が隣接するタイプに集中している人は、一貫性が高いと言えます。



確かに、芸術的人とは慣習的な人は興味の対象が異なりそう!



対角線上の興味が伸びることが全くないというわけではなくて、「一貫性」の視点だね
スリーレターコード:より深く自分を知る鍵
ほとんどの人は、複数のRIASECタイプの特徴を併せ持っています。そこで、個人のパーソナリティをより正確に表現するために使われるのが「スリーレターコード」です。
これは、職業興味検査などの結果に基づき、自分の興味が最も強いタイプから順に3つを並べたものです。
例:スリーレターコード「SAI」の場合
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S
(社会的): 最も強い興味。人と関わり、助けることに最も価値を感じる。
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A
(芸術的): 2番目に強い興味。自由な発想や自己表現も大切にしたい。
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I
(研究的): 3番目に強い興味。物事を深く探求する知的好奇心も持っている。
この「SAI」というコードを持つ人は、「人々の心を深く理解し(I)、創造的な方法で(A)、他者を助ける(S)仕事」に大きな満足感を得るかもしれません。例えば、アートセラピストや、創造性を重視する教育プログラムの開発者といった職業が考えられます。
このように、スリーレターコードは、単一のタイプで考えるよりも、はるかに立体的で詳細な自己像と、それに対応する職業像を浮かび上がらせてくれます。



組み合わせによって、画一的でないオリジナルな要素のある業が想像できるね



ぼくらしさが見えてくるかも!
自分のタイプを知るためのツール
では、どうすれば自分のRIASECタイプやスリーレターコードを知ることができるのでしょうか。そのために、ホランド理論に基づいて開発された代表的なアセスメントツール(検査)があります。
VPI職業興味検査
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どんなツール?ホランド自身が開発した、国際的に広く使われている職業興味検査。160の職業名に「興味がある/ない」で答えます。
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誰のため?主に大学生や成人を対象とし、キャリアカウンセリングや自己分析の場面で活用されます。
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何がわかる?RIASECの6つの興味領域(現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的)の強さを客観的な数値で把握できます。
職業レディネス・テスト
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どんなツール?VPIを基に日本で開発された、より包括的なアセスメント。興味だけでなく、自信の度合いも測定します。
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誰のため?主に中学生・高校生を対象としており、学校での進路指導などで広く使われています。
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何がわかる?職業興味(A尺度)、基礎的志向性(B尺度)、職務遂行の自信度(C尺度)の3つの側面から、多角的に自己理解を深めます。
OHBYカード(職業カード)
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どんなツール?たくさんの職業名が書かれたカードを使い、ゲーム感覚で自己理解を深めるツール。カウンセラーとの対話の中で使われることも多いです。
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誰のため?年齢を問わず幅広く使えます。特に、文章の読み書きが苦手な人や、リラックスした雰囲気で話したい人に適しています。
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何がわかる?カードを「好き」「嫌い」「わからない」などに分類していくことで、自分の直感的な興味の方向性(RIASECタイプ)を探ることができます。



これらのツールを活用することで、客観的なデータに基づいて自己理解を深め、より納得感のあるキャリア選択につなげることができます。



詳しくは、労働政策研究・研修機構をチェック
ホランド理論をキャリアプランに活かす
ホランドの理論は、単なる性格診断ではありません。自分自身という「個人」と、仕事という「環境」を結びつけ、より満足度の高いキャリアを築くための実践的な羅針盤。



ぜひRIASECのフレームワークを使って、ご自身の強みや興味を再発見し、未来のキャリアプランニングに役立ててくださいね



これから試験の方はしっかり覚えて合格をつかみとってね!
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