
クランボルツ先生といったら『計画的偶発性理論』1999年に発表されたんだよね



従来はのぞましくないとされていた「未決定」に焦点を当てたクランボルツの理論について解説していきます
幸運は偶然じゃない⁉クランボルツの理論


キャリアの意思決定・職業選択に影響を与える4つの要因
キャリアの意思決定・職業選択に影響を与える4つの要因は、クランボルツ先生の理論の中で頻出の1つ。



人が仕事を選択するときのうらには、4つの要因があったのか!
クランボルツのキャリア理論
あなたのキャリアを形作る4つの要因を探る
キャリア意思決定に影響を与える要因
下の4つのカードをクリックして、各要因の詳細を確認しましょう。
キャリア影響度チェック
スライダーを動かして、各要因があなたのキャリアにどれくらい影響を与えたか視覚化してみましょう。
「計画された偶発性」という考え方
この理論は、予期せぬ出来事(偶然)をキャリアのチャンスとして活かすことの重要性も示唆しています。チャンスを掴むために、以下の5つのスキルを意識することが推奨されています。
好奇心
新しい学びの機会を模索する
持続性
失敗しても努力し続ける
楽観性
新しい機会は実現可能と捉える
柔軟性
状況に合わせて考え方を変える
冒険心
結果が不確実でも行動する
偶然の出来事をキャリアに積極的に活かす5のスキル(計画的偶発性理論)
人生は思い通りにいかないことだらけ。せっかく目標を立てて行動していたのに、自分の希望ではない部署へ異動、転勤なんてこともあるかも。
そんなとき、思い通りにいかなかったと折れてしまうのではなく、それをひとつの機会ととらえることが大切……それがクランボルツ先生の教えです。



偶然の出来事を自らのキャリアに活かすためには、5つのスキルが大切なんだって!
計画された偶発性理論
偶然をキャリアのチャンスに変える5つのスキル
理論の概要
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱されたキャリア理論です。個人のキャリアは、必ずしも綿密な計画通りに進むわけではなく、むしろ予期せぬ出来事(偶然)がキャリアを形成する上で重要な役割を果たす、という考え方に基づいています。
この理論の核心は、ただ偶然を待つのではなく、自らの行動によって良い偶然を引き寄せ、それをキャリアのチャンスとして積極的に活かしていくことにあります。
偶然をチャンスに変える5つのスキル
下のボタンをクリックして、各スキルの詳細を確認しましょう。
あなたのスキルをチェック
5つのスキルについて、現在の自分をスライダーで評価してみましょう。
キャリア・カウンセリングにおける学習理論(LTCC)
クランボルツの理論は、個人のキャリア選択や発達は、生涯にわたる「学習」の連続的なプロセスであると捉えます。この理論は、特に**LTCC(Learning Theory of Career Counseling: キャリアカウンセリングの学習理論)**として体系化されています。
LTCC(キャリアカウンセリングの学習理論)とは?
LTCCは、アルバート・バンデューラの「社会的学習理論」をキャリア分野に応用・発展させたものです。その中心的な考え方は、「私たちのキャリアに関する興味、スキル、信念、価値観は、すべて学習経験によって形成される」というものです。
カウンセリングの目的は、単にクライエントに最適な職業を一つ見つけること(マッチング)ではありません。むしろ、変化し続ける現代社会でクライエントが満足のいく人生を自ら作り出していけるように、学習を促進し、行動を支援することが目標となります。
LTCCは、以前のバージョンで触れた「キャリア意思決定に影響を与える4つの要因」と、「計画された偶発性理論」を包括する、より大きな枠組みの理論です。
LTCCにおけるカウンセラーの役割:
- クライエントの行動を妨げている不合理な信念を特定し、それをより現実的なものに変える手助けをする。
- 新しいスキルや興味を探求するための具体的な行動をクライエントが起こせるように促し、支援する。
- ロールプレイングやシミュレーションなどを通じて、新しい行動を学習する機会を提供する。
- クライエントが偶然の出来事をキャリアの機会として活かせるように、5つのスキル(好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心)を育む。
CBI(キャリアビリーフインベントリー)とは?
CBI(Career Beliefs Inventory)は、LTCCの考え方に基づいてクランボルツが開発した、キャリアカウンセリングで用いるアセスメントツール(心理検査)です。
これは、クライエントのキャリア選択や行動を妨げている可能性のある**非合理的・自己限定的な信念(思い込み)**を特定し、測定することを目的としています。
CBIの目的と使い方:
- 問題の特定: クライエントがどのような思い込み(例:「一度決めた仕事は変えるべきではない」「好きなことを仕事にするのは無理だ」)を持っているかを明らかにします。
- 対話の促進: 検査結果をもとに、その信念がいつ、どのように形成されたのか、そしてそれが現在のキャリアの悩みとどう関係しているのかをクライエントと話し合います。
- カウンセリングの焦点化: 特定された非合理的な信念を、より現実的で肯定的な信念へと変えていくことをカウンセリングの具体的な目標とします。
- 行動の促進: 信念が変わることで、クライエントはこれまで避けていた新しい行動(例:未経験の職種について調べる、転職活動を始める)を起こしやすくなります。
CBIは、クライエント自身が自分の内面にある「見えない壁」に気づき、それを乗り越えるための具体的な一歩を踏み出すのを助ける、非常に強力なツールです。
まとめ
クランボルツの学習理論(LTCC)は、キャリアを「学習と行動の連続」と捉え、カウンセリングを通じてクライエントの成長と適応を支援します。その中でCBIは、行動を妨げる内面的な「思い込み」を明らかにし、具体的な支援へとつなげるための重要な羅針盤の役割を果たすのです。
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