【キャリア理論】グループアプローチ

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国家資格キャリアコンサルタント試験で頻出の2つのグループアプローチ、「構成的グループエンカウンター」と「ベーシック・エンカウンター・グループ(B.E.G.)」について、その理論的背景、目的、進め方の違いを分かりやすく解説します。

下の比較項目ボタンをクリックすると、該当するカードがハイライトされます。

構成的グループエンカウンター (SGE)

ベーシック・エンカウンター・グループ (B.E.G.)

レーダーチャート分析

両アプローチの概念的な特徴を視覚的に比較します。

セルフチェッククイズ

目次

構成的グループエンカウンター(SGE)とは?

「SGE」とも略されます。國分康孝が開発した、日本生まれのグループアプローチです。カウンセリングの考え方を教育の分野に応用し、個人の成長を支援することを目的としています。

  • 提唱者: 國分康孝
  • 目的:
    • ふれあい自己発見を通じた人間的成長
    • 本音と本音の交流による自己理解・他者理解の促進
    • 予防的カウンセリング、人間関係トレーニング
  • 特徴:
    • リーダーが事前に準備したエクササイズ(課題)を用いるため、「構成的」と呼ばれます。
    • エクササイズは、「自己紹介」「他者紹介」「信頼体験」など、目的別に多様なものが用意されています。
    • 学校教育や企業研修など、幅広い場面で活用しやすいように体系化されています。
  • 進め方:
    1. エクササイズ: リーダーが課題を提示し、グループで活動します。
    2. シェアリング(分かち合い): エクササイズを体験して感じたことや気づいたことを、グループ内で共有します。この時間が本質的な部分とされます。
  • リーダーの役割:
    • 明確な指示を出し、エクササイズを進行する「リーダー」としての役割が強いです。
    • グループの安全性を確保し、効果的に学びが深まるように場を設計します。
  • 基本ルール:
    • 自己開示の強要はしない(パスする自由)
    • 他者の発言を批判・評価しない
    • ここで知り得たプライバシーは守る(守秘義務)

【試験対策ポイント】構成的」=「國分康孝」+「エクササイズ」というキーワードの組み合わせで覚えましょう。

ベーシック・エンカウンター・グループ(B.E.G.)とは?

来談者中心療法の提唱者であるカール・ロジャーズが発展させたグループアプローチです。特定の課題や構造を持たないため、「非構成的エンカウンターグループ」とも呼ばれます。

  • 提唱者: カール・ロジャーズ
  • 目的:
    • ありのままの自分、本物の自分との「出会い(エンカウンター)
    • 自己の受容と変容、人間的成長
    • より深いレベルでの対人関係の体験
  • 特徴:
    • 特定の議題や手順(エクササイズ)を設けないため、「非構成的」と呼ばれます。
    • 参加者の自発性に任せ、グループのプロセスが自然に展開していくのを待ちます。
    • 通常、数日間の合宿形式など、集中的な時間の中で行われることが多いです。
  • 進め方:
    • 決まった進め方はなく、その場でメンバーが感じたこと、話したいことを自由に表現することから始まります。
    • ファシリテーターが受容的・共感的な雰囲気を作ることで、徐々に本質的な感情の交流が生まれます。
  • ファシリテーターの役割:
    • 指示や指導を行う「リーダー」ではなく、グループのプロセスを促進する「ファシリテーター」です。
    • 自らも一人の参加者として存在し、受容・共感・自己一致の態度を示すことで、メンバーが安心して自己表現できる安全な場を作ります。
  • 理論的背景:
    • ロジャーズの**来談者中心療法(パーソンセンタードアプローチ)**の考え方が色濃く反映されています。

【試験対策ポイント】非構成的(ベーシック)」=「ロジャーズ」+「ファシリテーター」+「課題なし」の組み合わせが重要です。

一目でわかる!両者の比較まとめ表

比較項目構成的グループエンカウンター (SGE)ベーシック・エンカウンター・グループ (B.E.G.)
提唱者國分康孝カール・ロジャーズ
キーワードふれあい、自己発見、予防出会い(エンカウンター)、自己成長、治療
構造構成的(Structured)非構成的(Unstructured)
進め方エクササイズシェアリング自由な対話、決まった手順なし
リーダーの役割リーダー(指示、進行役)ファシリテーター(促進者、雰囲気作り)
理論的背景実存主義、ゲシュタルト療法など来談者中心療法
主な活用場面学校教育、企業研修、地域活動心理療法、カウンセラーの訓練、自己成長セミナー
安全性事前のルール説明と構造化で確保ファシリテーターの在り方とグループの成熟で確保

まとめ

キャリアコンサルタントとして、個人だけでなくグループへのアプローチも重要な支援スキルとなります。

  • 構成的グループエンカウンターは、**明確な手順(エクササイズ)**があり、教育や研修の場で活用しやすいのが特徴です。
  • ベーシック・エンカウンター・グループは、参加者の自発性に委ね、より深い自己との出会いを促すことを目指します。

試験では、この2つのアプローチの提唱者、構造、リーダーの役割の違いが特に問われやすいポイントです。この資料を参考に、それぞれの特徴をしっかりと整理して、自信を持って試験に臨んでください。応援しています!

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