チャチャ認定制度、キャッチーな名前なのになかなか覚えられない。混乱するよ!
今回は、学科試験の「労働市場の知識」分野で頻出の、厚生労働省による主要な認定制度について解説します。これらの認定は、クライエントへの企業紹介や、企業のコンサルティングを行う上での基礎知識となります。



それぞれの根拠法、対象、目的をしっかり整理して覚えましょう。
まとめ
くるみん認定
子育てサポート企業
◆ 目的と根拠法
「子育てサポート企業」を認定し、次世代育成支援の取り組みを促進。仕事と子育ての両立を支援する環境整備が目的。
根拠法: 次世代育成支援対策推進法
◆ 認定の種類
- トライくるみん: 認定を目指す第一歩 (R4.4〜)
- くるみん: 基本となる認定
- プラチナくるみん: さらに高い水準の取り組み
【キャリコンとしての視点】
子育て中のクライエントに対し、企業の「両立支援」の姿勢を客観的に示す指標として活用できる。
えるぼし認定
女性活躍推進企業
◆ 目的と根拠法
女性の個性と能力が十分に発揮できる社会を実現するため、女性の活躍推進に関する状況が優良な企業を認定。
根拠法: 女性活躍推進法
◆ 評価項目(5つ)
- 採用
- 継続就業
- 労働時間等の働き方
- 管理職比率
- 多様なキャリアコース
◆ 認定の種類
- えるぼし: 評価項目数に応じ3段階 (★〜★★★)
- プラチナえるぼし: さらに先進的な取り組み
【キャリコンとしての視点】
女性クライエントに対し、企業の男女均等な機会提供や管理職登用への積極性を示す重要指標。
ユースエール認定
若者雇用促進企業
◆ 目的と根拠法
若者の採用・育成に積極的で、雇用管理が優良な中小企業を認定。若者が安心して働ける職場を促進。
根拠法: 若者雇用促進法
◆ 試験のポイント
- 対象が中小企業である点が重要
- 離職率が低い、有給取得率が高いなど若者重視の基準
【キャリコンとしての視点】
若年層クライエントに「隠れた優良中小企業」を紹介する際の信頼性の高い指標となる。
もにす認定
障がい者雇用優良企業
◆ 目的と根拠法
障がい者の雇用の促進・安定の取り組みが優良な中小企業を認定。愛称は「共に進む」に由来。
根拠法: 障害者雇用促進法(関連制度)
◆ 試験のポイント
- 対象が中小企業である点が重要
- 雇用実績だけでなく、定着支援やキャリアアップも評価
【キャリコンとしての視点】
障がいのあるクライエント支援において、企業のインクルーシブな姿勢や受け入れ体制を示す客観的データとなる。
4つの認定制度の比較まとめ
| 認定名称 | 主な対象 | 目的 | 根拠法 |
|---|---|---|---|
| くるみん | 全企業 | 子育てサポート | 次世代育成支援対策推進法 |
| えるぼし | 全企業 | 女性の活躍推進 | 女性活躍推進法 |
| ユースエール | 中小企業 | 若者の雇用促進 | 若者雇用促進法 |
| もにす | 中小企業 | 障がい者の雇用促進 | 障害者雇用促進法(関連) |
解説
1. くるみん認定・プラチナくるみん認定(子育てサポート)
◆ 目的と根拠法
「子育てサポート企業」を認定し、次世代育成支援の取り組みを促進するための制度です。少子化対策の一環であり、仕事と子育ての両立を支援する環境整備が目的です。
- 根拠法:
次世代育成支援対策推進法
◆ 試験のポイント
- 企業は一般事業主行動計画を策定し、都道府県労働局へ届け出る必要があります。
- 行動計画の目標を達成し、一定の要件を満たすことで認定を申請できます。
- 男性の育児休業取得率など、具体的な数値基準が定められています。
◆ 認定の種類
- くるみん認定: 基本となる認定です。
- プラチナくるみん認定: 「くるみん」認定を既に受け、さらに高い水準の取り組みを行っている企業が対象です。より手厚いサポート体制の証となります。
- トライくるみん認定(令和4年4月〜): 新たに基準が緩和された認定。くるみん認定を目指す第一歩として、より多くの中小企業が取り組みを始めやすくするために創設されました。
【キャリコンとしての視点】 子育て中のクライエントや、将来のライフプランを考えるクライエントに対して、企業の「両立支援」の姿勢を客観的に示す指標として活用できます。特に「プラチナ」は非常に強力なアピールポイントです。
2. えるぼし認定・プラチナえるぼし認定(女性活躍推進)
◆ 目的と根拠法
女性の個性と能力が十分に発揮できる社会を実現するために、女性の活躍推進に関する状況が優良な企業を認定する制度です。
- 根拠法:
女性活躍推進法
◆ 試験のポイント
- こちらも一般事業主行動計画の策定・届出が前提となります。
- 以下の5つの評価項目があり、満たした項目数に応じて3段階で評価されます。
- 採用
- 継続就業
- 労働時間等の働き方
- 管理職比率
- 多様なキャリアコース
- 段階(星の数): 満たした項目数に応じて星1〜3つが付与されます。星の数が多いほど、総合的に女性が活躍しやすい環境であると言えます。
◆ 認定の種類
- えるぼし認定: 1〜3段階の認定があります。
- プラチナえるぼし認定: 「えるぼし」認定企業のうち、さらに先進的な取り組みを実施している企業が対象となる、最上位の認定です。
【キャリコンとしての視点】 女性クライエントのキャリアプランニングにおいて、企業の男女均等な機会提供や、女性管理職登用への積極性を示す重要な指標です。キャリアアップを望む女性に紹介すべき企業の判断材料となります。
3. ユースエール認定(若者雇用促進)
◆ 目的と根拠法
若者の採用・育成に積極的で、雇用管理の状況が優良な中小企業を認定する制度です。若者が安心して働ける職場環境を整備し、中小企業への就職を促進します。
- 根拠法:
若者雇用促進法
◆ 試験のポイント
- 対象が中小企業である点が、「くるみん」「えるぼし」との大きな違いです。
- 認定基準には「新卒者の離職率が低い」「有給休暇の取得率が高い」「残業時間が少ない」といった、若者が特に重視する労働条件が含まれています。
【キャリコンとしての視点】 新卒や第二新卒など、若年層のクライエントに「隠れた優良中小企業」を紹介する際に、非常に信頼性の高い指標となります。大手志向のクライエントに視野を広げてもらうきっかけとしても有効です。
4. もにす認定(障がい者雇用)
◆ 目的と根拠法
障がい者の雇用の促進・安定に関する取り組みが優良な中小企業を認定する制度です。障がいのある方が能力を発揮し、活躍できる職場づくりを推進します。
- 根拠法:
障害者雇用促進法に関連する制度です。
◆ 試験のポイント
- こちらも対象は中小企業です。
- 愛称の「もにす」は、**「共に進む(ともにすすむ)」**という言葉に由来します。
- 障がい者の雇用実績だけでなく、定着支援やキャリアアップへの配慮なども評価されます。
【キャリコンとしての視点】 障がいのあるクライエントの就職・転職支援において、企業のインクルーシブな姿勢や、具体的な受け入れ体制を示す客観的データとして活用できます。合理的配慮を求める際の安心材料にもなります。
◆ まとめ:4つの認定制度の比較
| 認定名称 | 根拠法 | 主な対象 | 目的 |
|---|---|---|---|
| くるみん | 次世代育成支援対策推進法 | 全企業 | 子育てサポート |
| えるぼし | 女性活躍推進法 | 全企業 | 女性の活躍推進 |
| ユースエール | 若者雇用促進法 | 中小企業 | 若者の雇用促進 |
| もにす | 障害者雇用促進法(関連) | 中小企業 | 障がい者の雇用促進 |
これらの認定制度は、国が企業の「働きやすさ」や「多様性」を保証するものです。試験対策としてはもちろん、クライエントに寄り添った質の高いコンサルティングを行うためにも、それぞれの違いと意味を正確に理解しておきましょう。
以上で本日の講義を終わります。試験勉強、頑張ってください!



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