チャチャたまーに出てくる「転移」と「逆転移」何が転移?なにが逆?わからなくなるよ。



ここでいったん、転移と逆転移について整理しておこう!
キャリアコンサルティングにおける転移と逆転移


キャリアコンサルティングでは、クライエント(相談者)とコンサルタントの間で、無意識的な心の動きが起こることがあります。その代表的なものが「転移」と「逆転移」です。
転移(Transference)とは?
転移とは、クライエントが過去の重要な人物(親、先生、上司など)に抱いた感情や態度を、無意識のうちにコンサルタントに向けてしまう現象です。
具体例:
- 「このコンサルタントは、いつも私を応援してくれた母親のようだ」:コンサルタントに過度な期待や依存心を抱く。
- 「このコンサルタントは、私の意見を否定した厳しい上司に似ている」:コンサルタントに反発したり、意見を言えなくなったりする。
転移はクライエントの無意識が作り出すものであり、意図的に行われるわけではありません。コンサルタントから見ると、クライエントの過度な賞賛や批判、依存的な態度などに現れることがあります。
クライエントの感情:
「この上司は厳しくて、私の意見をいつも否定した」
転移の例:
「このコンサルタントは、昔の厳しい上司に似ている…。
どうせ私の考えは否定されるだろうから、発言するのはやめておこう」
このイラストは、クライエントが無意識のうちに過去の人物(ここでは上司)のイメージをコンサルタントに重ね合わせ、それがキャリアコンサルティングのプロセスに影響を与える様子を示しています。
逆転移(Countertransference)とは?
逆転移とは、コンサルタントが、クライエントに抱く無意識的な感情や反応を指します。これは、クライエントの転移に影響されたり、コンサルタント自身の過去の経験や感情が投影されたりすることで起こります。
具体例:
- 「このクライエントは、昔の自分とそっくりだ。何とかしてあげなければ!」:過度に感情移入し、客観性を失ってしまう。
- 「このクライエントの態度にはイライラする。なぜこんなに非協力的で、昔の嫌いな同僚を思い出すのだろう」:個人的な感情から、クライエントを適切に評価できなくなる。
逆転移は、コンサルタントが自身の感情をコントロールできないと、コンサルティングの質を損なう原因にもなり得ます。
コンサルタントの無意識:
「クライエントに娘の姿を重ねてしまう…。
娘には果たせなかった夢を、この子に託したい」
逆転移の例:
「クライエントの話を聞いていると、コンサルタント自身の未完了の思いが引き出され、無意識のうちにクライエントに過剰な期待をしたり、不適切なアドバイスをしてしまう」
このイラストは、コンサルタントが無意識のうちにクライエントに個人的な感情を抱き、それがコンサルティングのプロセスに影響を与える様子を示しています。



[逆転移」も難しいことはない。コンサルタントがクライエントに個人的な感情を抱いてしまうってことなんだね。



「転移」と立場が逆になったバージョンと覚えれば良いね
なぜ転移・逆転移を理解することが重要?
転移と逆転移は、キャリアコンサルティングを効果的に進める上で非常に重要な概念です。
- 自己理解の深化
転移や逆転移は、クライエントやコンサルタント自身の無意識のパターンや過去の経験を映し出します。これを分析することで、より深く自己を理解するきっかけになります。 - 関係性の改善
無意識の感情を認識し、適切に扱うことで、クライエントとの信頼関係(ラポール)を築き、より健全で建設的な対話が可能になります。 - 客観性の維持
特に逆転移を自覚することは、コンサルタントが個人的な感情に流されず、クライエントを客観的に見つめ、最適な支援を提供するために不可欠です。
転移や逆転移を恐れるのではなく、それらを気づきの機会と捉え、冷静に対応することが、プロフェッショナルなキャリアコンサルタントには求められます。




コメント